大阪DTPの勉強部屋「書体の誕生」参加レポート

4月15日(土)・16日(日)と書体の誕生に行ってきました。
以下、ざっくりとしたメモ書きレポートです。
あくまで個人のメモ+感想なので、間違った解釈や記述があるかもです。

書体 ── 装幀の花形

welle designの坂野さんのセッションでは、お仕事でよく使うフォントの話に加え、装幀のデータを見ながらの解説がありました。
実際に見せていただけたデータの書籍はこちら。

さらに、これから発売になる書籍のデータもありました。
提案用に複数案作ったもので、4,5案くらいあったのですが、いろんなパターンで見れたのは面白かったです。
表紙のイラストは一緒なのに、書体とあしらいを変えるだけでガラっとイメージか変わるので、装幀デザインって奥が深いな…と思いました。

「デザイナーの仕事は 書体を選ぶこと。」
「絵のない装幀はあっても
 文字のない装幀はありえない」
「ロゴを作ってしまうと、数年で陳腐化する。
(そうすると)書籍の寿命をちじめてしまう。
なので、プロの書体をつかわせてもらう。」

という言葉がとても印象的で、書体へのこだわりを感じました。
クセのある書体でも、すごくハマっていたので、自分も書体選びをがんばろう…と思ったセッションでした。

フォントかるた

最近Twitterなどでも話題になっていたフォントかるた
ルール解説をしたのち、実際のかるた大会がありました。

フォントかるたを持っているにもかかわらず、特に予習もせずに参加。
全然取れないかも…と思っていましたが、狙いをしぼったらなんとか3枚は取れました。

実際にプレイしてみて気づいたのですが、個々でじっくりみるとわかるフォントでもばらばらに並べるとむずかしかったです。
結構似ている書体もある中、迷わずにバンバン取っていく人もいてすごかったです。

書体デザイナー藤田 重信氏と坂野 公一氏のトークセッション。

筑紫を作ったフォントワークスの藤田さんと、坂野さんのセッション。
藤田さんの中では、このカーブが綺麗!というモチーフがいくつかあるようで、そのカーブの具合がフォントにも反映されているというお話がなおもしろかったです。

筑紫書体は、他の書体と比較するとクセを感じるものの、しばらく見てると、どんどん眼がそれに慣れてくる不思議な書体だなと思いながら見てました。
筑紫に目が慣れた後で、他の明朝体と見ると、「このフォント、こんなに横広だったっけ?」という風に、自分の中でのフォントしょ基準が少し変わってきたり。

筑紫ヴィンテージ明朝の従属欧文の話では、「&」のことも触れられていましたが、はじめて見る形で「おぉ!」となりました。

若手書体デザイナー 本多さん+越智さん × 藤田さんトークセッション

2人の若手書体デザイナーのセッションでは、それぞれ違うアプローチ方法に加え、デザイナーさんのタイプも然違っていたのでおもしろかったです。

イワタ 本多さん

今までのイワタのフォントとはちょっとちがう、むにゅむにゅした丸ゴシックのお話。
開発途中でセッション内容は公開NGでしたが、配布されたチラシはちょこっとでてました。

漢字がズラリと並んだスライドがあったのですが、「ひらがながなくても、これだけかわいいのか!」と、なかなか衝撃的でした。
社内の掃除をしてて見つけた書体をベースに作られたそうですが、元となった書体も驚くほどかわいかったです。
フォント化するにあたり、一部クセの強い部分で削ぎ落とされた部分もあったようですが、このクセの部分は是非のこして欲しいという藤田さんのツッコミも。

元の書体では、同じ形のところでも全然統一されていなかったので、フォント化するにあたって統一させていったというお話があったのですが、
「ばらけているからこそかわいい。なんでもありだと表現力があがる。」
「表現力のない書体は意味がない。
デザイナーが喜んで使える書体を」
というような藤田さんのコメントが印象的でした。

フォントワークス 越智さん

ずっと書道を習っていて、大学でもフォントを作ったり、石に文字を掘っていた本多さんとは対照的に、もともとフォントについてもそこまで詳しくはなかったという越智さん。
入社試験のときにすきなフォント順に並べなさいという試験で、自社のマティスと筑紫の丸ゴシックを最下位の方に持ってきた(そしてそれを入社してから知った)というエピソードがとても印象的でした。

自分が好きなものを連想させるような作り方をしていくと、作っているときも楽しいということで、パルラムネの作成時には大好きなドラえの二頭身バランスを取り入れたとのことでした。

フォントの名前はもともと「ラムネ」だったそうですが、上司の藤田さんに頭に何かつけた方がよいといわれ
ぱる= 仲間・友達
という意味の言葉を前につけたとのこと。
筑紫もそうですが、頭が同じシリーズにすることで、ブロックで固まるので使いやすくなる上にあのシリーズが好きと認知してもらえるという、上司の藤田さんのアドバイス。
これにはなるほどと思いました。

文字・色・形のユニバーサルデザイン

イワタさんによるユニバーサルデザインの話。
このあたりは、DTPだけでなくwebでも大事な部分なのでとても参考になりました。

高齢者向け

40歳以上から、老眼や白内障で悩んでくるとのこと。
老眼:文字がつぶれてみえづらくなる。
白内障:淡い色使いが見分けづらくなる。

色覚障がい者向け

色覚障がい者にとっては見やすくても、高齢者にとっては見づらいこともあるとのことで、色覚障がい者への配慮としては、

  • 文字にふちをつける
  • 色に模様をつける
  • 色の配列を変える

の3つがあげられていました。

他にも、黄色は色覚障害があっても見えるが、緑や赤がみえづらい人が多い(P型・D型)というお話も。
(青系が見づらい人は本当に極まれだそうです。)

黒背景+赤文字のデザインって時々あるのですが、この色の違いがわからない人もいるとのこと。
ただ、健常者の人にとっては 黒と赤という組み合わせにすることでわかりやすいデザインもあります。
色覚障がい者向けに色を変えるのではなく、書体を変えたり、囲み線や下線をいれることで解決できるというお話がありました。

ちなみに、このP型・D型の見え方については、Adobe製品であればプレビューから確認できます。

ユニバーサルデザインの例

ユニバーサルデザインの例として
和歌山県海南市の海抜表示板が取り上げられていました。

・赤と青の認識がしづらい人向けに白縁をつける
・子どもにわかるように、ひらがな+言葉の意味を表記
・外国の人向けに英語表記も記載

こういった工夫がされているとのこと。
この他にも、チラシのデータの書体を変更することで反響数が上がった事例の紹介などもあり、とても勉強になりました。

ユニバーサルデザインについて学ぶ人向けにUDアドバーザ資格というのもあるそうです。

モトヤ書体の開発の歴史、設計理念および最新情報をフォント制作の実演を交えて

Googlemapなどの地図サービスや一部の新聞社ではモトヤフォントが使われているとのこと。
調べて見ると、地元の新聞社でも使われていました。
モトヤフォント導入事例
見せるよりも「可読性」に気を配っているのを実感しました。

モトヤさんのセッションでは、パソコンを持ち込んでのフォント制作の実演がありました。
文字のアウトラインを書いてから、ソフトでアウトラインをなぞっていくのですが、実演では「IKARUS」(イカルス)というソフトが使用されていました。
ベジェ曲線とは違った制作方法で、見ていてとても新鮮でした。
操作画面もかなりシンプルかつ、数値ベースとなる部分が多いのが印象的でした。

展示

白舟さんのセッションはなかったのですが、展示コーナーで少しだけお話をきくことができました。
白州フォントといえば筆文字ですが、書道家ではなく、近所のハンコ屋さんなどにお願いして描いてもらったとのこと。
ちなみに、ハンコ屋さんの筆文字は、細かい上に、ホワイトの跡は全然ないので、本当に職人さんすごいなと思いました。
担当の方が「癖のある文字であれば、書道家のプロでなくても書けますよ!」とおっしゃられていたのですが、それを聞いて自分も何か作って見たくなりました。

その他にも、、展示会場では藤田さんの過去のツイート壁にいくつか張り出されていたり、イワタさんのブースにいくと担当の人がフォントができるまでのおもしろエピソードをおしえていただいたりと楽しかったです。

感想

普段フォントを使う立場ですが、作ってる人の話を聞くことがあまりないので、とても勉強になった2日間でした。
どういう経緯作られたかしっておくことで、使うときの愛着が全然違うので、今後もこういった勉強会には参加できればと思います。

あと、お土産にもらったトートバックがすごくかわいかったです。

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