WordPressとGPLライセンスについて

先月の話になりますが、1月24日に「GPL勉強会」に参加してきました。
今回は、その復習もかねて、ライセンスについてあれこれ書いてみようと思います。

フリーの意味

WordPressはフリーのソフトウェアライセンスとして、一般の人にも広く知られています。
しかし、この「フリー」という言葉の意味を「無料」という風に、少し間違った解釈をしている人も多いのではないでしょうか。

ここでの「フリー」は「無料」のフリーではなく「自由」という意味でのフリーになります。

フリー...?

「著作権」と「ライセンス」との違い

「自由」とはいえ、制作物には、必ず「著作権」があります。
ここで、一度「著作権」と「ライセンス」の違いについて振り返ってみましょう。

著作権

ライセンス

大分ざっくりしてますが、個人的にはこういうイメージ…。

著作権
文章・音楽・絵画・プログラムなど、
作った人が、作ったモノに対して持っている権利。
ライセンス
(条件付きで)許可をあたえること。

ライセンスに表記されていること

ライセンスには「必須」「許可」「禁止」、この3つの事項が、それぞれ記されています。
WordPressは「GPL」というライセンスを採用していますが、GPLだとこのような感じになります。

ライセンス

GPLライセンスについて

GPLはコピーレフト(copyleft)を採用

コピーライト(copyright)」という言葉は聞き覚えがあるかと思いますが、その逆の言葉として「コピーレフト(copyleft)」というものがあります。

ここでいう「逆」というのは、「copyright(著作権)」という意味に対し、「著作権を放棄すること」という意味での「逆」ではなく、単純に「right/left」の逆になります。

コピーライト(copyright)
著作権
コピーレフト(copyleft)
著作権を保持した状態で、誰でも「利用・再配布・改変」ができるいう考え方。一度GPLで公開されたものは、後からGPL利用を禁止することはできない。

著作権を放棄して、誰でも自由に使えることにしてしまうと、共有・発展という制作作者の意図から外れてしまうことになります。コピーレフトのおかげでより多くの人と共有できるようになります。
コピーレフト

コピーレフトでは、著作物(もしくは二次的著作物)に対し、「利用・コピー・再配布」の制限を禁止している上に、二次的著作物に対しても同じルールで公開しなくてはいけないというルールがあります。

WordPressのテーマの中には、「利用目的」や「利用回数」などの制限を設けているものが、ときどきあるようです。
しかしライセンスがGPLである以上、ライセンス違反になってしまうので注意しましょう。

ライセンス違反になる例

  • 利用目的の制限(アダルトサイトの使用禁止)
  • 利用回数の制限(1サイトにしか使用できない)
  • 改変の制限(フッターにあるリンクを消してはいけない)
  • 再配布の制限(ソースコードを公開してはいけない)

GPLの適用範囲

「再配布」したときに限り、GPLが適用されます。

Webサービスとして扱う分には、第三者は”結果”のみを受け取っているものとし、配布したことにはなりません。よって、GPL適用外となります。

GPL適用範囲

GPL感染について
ソフトウェアとして再配布する場合、ソースコード中に少しでもGPLの部分があれば、ソフトウェア全体をGPLにしなくてはいけなくなります。
実際に、ソフトウェアを購入した人が、ソースコードの開示要求を受け、それに応じたケースもあります。

100%GPLとスプリット・ライセンス

WordPressにおいて、すべてのファイルが、GPLになるのかというと、そうではありません。
「100%GPL」と「スプリット・ライセンス」があります。

100%GPL
同胞されているものすべてにGPLを適用すること。
スプリット・ライセンス
PHPのソースコードだけにGPLを適用すること。

どちらにするかは、作る人の自由ですが、「100%GPL」の方が、使う人が安心して使えるというメリットもあります。
また、WordPress.orgやWordPressのイベントであるWordCampなどでは、「100%GPL」を推奨しています。

WordPress.org
公式ディレクトリに、テーマやプラグインを登録したい場合は「100%GPL」が登録条件になっている。
WordCamp
登壇者・運営者・スポンサーに対して、公開・販売・宣伝しているテーマやプラグインがある場合、ライセンスは「100%GPL」であることが条件になっている。

「100%GPL」にしていると、公式ディレクトリに、自分の作ったテーマやプラグインを登録でき、さらには、WordCampなどのイベントで、発表できる“きっかけ”にもなります。

WordPressのシェアがこれだけ広がったのも「GPL」だったからこそ。
自分がつくったものが「100%GPL」であれば、それが誰かのためになるだけでなく、そこからさらに発展し、良いものがうまれるかもしれません。

100%GPL

ライセンス表記、大事

今回は「GPL」に絞って記事を書きましたが、ライセンスが「GPL」でないにしろ、公開する自分のコードには、できる限りライセンスを明記するようにしましょう。

ライセンスを書かずに自作ライブラリを公開すると、「All rights reserved」が適用されます。
そうすると、公開者自身が全ての権利を保持する形になるので、配布・複製・再頒布などが禁止になってしまいます。
(ただし、GitHub上では、ライセンス明示をしていないソースでも、GitHubのサービス利用規約により、ソースコードの閲覧とリポジトリのフォークは保証されています。)

ライセンスが表記されてないからといって、著作権が放棄されているということにはなりません。
もし、自分が作ったものに対し、より多くの人の目に触れて欲しいというのであれば、「GPL」や「MIT」など、ライセンスを表記するように心がけましょう。

「他にどういったライセンスがあるのか気になる」という人は、GitHubにオープンソースライセンスについてまとめているページがあるので、そちらをどうぞ。

最後に

ライセンスの話は、一見むずかしそうではありますが、きちんと理解しておくことで、自分の制作物を「守る」だけでなく、「広げる」ことにもつながります。

GPLの勉強会については今後も関西で、定期的に開かれるとのことなので、もし興味がある方は、WordCamp Kansai 2016のDoorkeeperをチェックしてみてください。

WordCamp Kansai 2016 | Doorkeeper

こういったケースの場合、どうなるの?などといった疑問に対しても、誰かが答えてくれると思います。

今回、私が参加した勉強会のスライドがこちら。

参考サイト

Pocket