欧文の基本ルール

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海外で作られた日本人用のパンフレットなどをみると、「日本じゃそんな使い方しないよ〜」というものを、ときどき見かけます。
欧文フォントを使うときに、ひょっとしたら、それと同じような恥ずかしいことを、自分でもしているかもしれません。
そんなときに恥をかかないように、今回は、「欧文の基本ルールについて」です。

スクリプト体

スクリプト体を大文字だけで組むのはNGです。
お店のロゴなどで、「ブラックレター」で全部大文字になっているものもあるようですが、それも本当はNGのようです。

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そもそも、大文字ばかりだと読みづらいという話…

小文字は大文字に比べて、アルファベットごとに上下に飛び出していたりしていますが、これがポイントとなって、読みやすくなっています。

日本語で文章を読むときも、漢字を一画ずつ目を追って読むというより、だいたいの輪郭(単語などひとかたまり)で読んでいるかと思います。
高さが全部揃っている「大文字」ばかりの文章より、上下がガタガタしてる「小文字」の方が、輪郭の印象に差があるので読みやすくなります。

ちなみに、タイトル表記などで、全部大文字にする場合があるかと思いますが、その場合は、やや字間を空けて組むと読みやすくなるそうです。

イタリック体

イタリック体は強調したい言葉や、外来語に対して使います。

イタリック体を使うべきところ

  • 強調したいとき
  • 外来語
  • 書籍名や作品名

強調させたいからといって、全て大文字で組むのではなく、イタリックで組みましょう。
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スモールキャップ

名前や略称を大文字だけで組むと、そこだけすごく目立ってしまいます。
そんなときは、スモールキャップを使います。

名前や略称以外にも、「イタリックより強めに強調したい」ときに使うのもありのようです。

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スモールキャップとは…
小文字のxくらいの大きさにした大文字。
太さが大文字や小文字に合うように、やや広めに作られているのが特徴です。

引用符

引用符は、文中に人の言葉を引用するときに使います。
「”」(垂直になっているもの)は、「マヌケ引用符」と呼ばれるくらいの代物で、デザイン審査などでは、これが入っているだけで、即落とされると言われています。

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「‘」(アポストロフィー)は所有格や文字の省略の意味を兼ねていますが、「’」や「”」は引用符でもアポストロフィでも無いので注意しましょう。

入力方法

option + [
option + Shift + [
option + @
option + Shift + @

Web上のテキストだと、全然わからないですよね…。

ちなみに、引用符は国によってスタイルが違うので、もし、海外の印刷物をお持ちの方はチェックしてみるとおもしろいかもしれません。
参考:引用符-Wikipedia

ダーシ

日本語で数字や時間、曜日などを表記するときに使う「〜」は、「–」(ダーシ)を使います。
「-」(ハイフン)は、別の意味があるので、使うときは注意しましょう。

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半角ダーシ –
「〜」(から)という意味で使う
ハイフン –
単語を分割したり、2つ以上の単語をまとめてひとつにするときに使う

複数の人の名前や、地名を表記するときは…

一人の人物を表すときは「ハイフン」を、二人の名前を一緒に書く場合は「ダーシ」を使います。

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地名もこのルールと基本は同じで、「ハイフン」でくっついたものは一つの名前、「ダーシ」のものは、そん区間の間を意味します。

ちなみに、ダーシは2種類あります。

入力方法

短い半角ダーシ(en dash) option + -
長い全角ダーシ(em dash) option + Shift + -

文章を中断させるときや、一呼吸の間に、左右にスペースを入れて「ダーシ」を使うことがあります。
このスペースを無くす代わりに、長い方の「ダーシ」で組むという方法があります。

数字

100未満の数字は文字で綴ります。
日付表記は、国によって表記方法が異なります。

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数字の種類いろいろ。

数字には「オールドスタイル数字」と「ライニング数字」があります。
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オールドスタイル数字
小文字で組んだ場合でも、なじむようにデザインされた数字。
数字だけ目立って見えないように、大文字より少し低めにデザインされています。
ライニング数字
高さのそろった数字。
カタログや新聞などはこちらを使います。

合字・ダブルエス・重母音

英語、フランス語などでは、小文字の「f」の次に「i」や「l」が来る場合は、「合字」に置き換えるのが決まりとなっています。
(※ドイツ語など一部合字に置き換えないケースもあるようです。)

合字はopentypeフォントであれば、そろっているようです。
他にも、英語ではあまり見かけませんが、「ダブルエス」や「重母音」などがあります。

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入力方法

option + Shift + 5
option + Shift + 6
ß option + S
œ option + Q
Πoption + Shift + Q
æ option + :
Æ option + Shift + :

最後に

今回紹介した内容については、デザインのルールというよりも、英文のレポートなどを書くときにも気をつけるような、知ってないと恥をかく部分もいくつか含まれています。
欧文フォントは使うと、一気にカッコよくはなります。が、こういった知識を知らないまま使うと、逆にカッコ悪いものができてしまうので注意が必要ですね。

今回は記事を書くにあたって、下記の書籍を参考にしています。

欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)

読んでおくと、欧文フォントを買うときにも役に立ちますし、なんといっても、今までよりもタイポグラフィをみるのが楽しくなるのでオススメです。
また、著者の小林 章さんが書いたブログの方も、おもしろいので、興味のある方はぜひ。

参考記事

中の人について

matsui
大阪でwebのお仕事をしています。
ブログでは最近学んだことや、勉強会に参加したことを書いてます。