9月12日に京都で開催されたなりゆきサーカスさんの企画である「なりゆき寺子屋 2015」に参加してきました。
なりゆき寺子屋とは
なりゆき寺子屋 2015
おととしから行われているイベントで今年で3回目になります。
イラストレーター、イラストレーター志望者、デザイナーなどの方を対象として、講師のプロの方からお話を聞いたり、実際自分が作ったものに対する評価がもらえたりするイベントです。
今年はグラフィックデザイナーの鈴木久美さんで、装丁についてお話をきいてきました。
トークショーとQ&A
まずはトークショーとQ&A。
参加者が前もってメールで質問していたことに対して、鈴木さんが丁寧に答えてくださいました。
以下、そのときとっていたメモを元にいくつか質問事項を書き出してみました。
ポートフォリオを見るときどこを見ているか
- よくまとめられているか。
いろんなテイストのものをつめると定まっていない感じがし、お願いするときにどういうテイストのものがあがってくるかわからず、不安になる。 - 特にこの絵を見てほしいというのが伝わってくるかどうか
本と同じで最初の印象で決まる。
毎日業務の忙しい合間に見ることが多いので、最後に持ってきても読んでいない会社の人もいるかも。
最初の5枚目くらいで相手の気持ちをつかめるように
ページ構成として、前カラー・後モノクロなどはあり
プロフィールに顔写真をのせた方がいいかどうか
- 特に気にはしないが、仕事をする上でこういう人が書いているんだという安心感がある
途中で見るのをやめてしまうポートフォリオに抱く感想
- あきちゃった…
見てほしいポイント、山場がないと飽きる。
2次創作のものをのせるのはいいが、そればかりだと、オリジナルなものを書きたい人なのかどうか不安になる
ポートフォリオはどういう媒体でみることが多いか
- 今はPCで見ることが多くなっている。(なので検索にはひっかかるようにした方がいい)
- クライアントの人に見てもらうときはPCの方が、すぐにURLなどが渡せたりできて便利
- twitterやTumblrなどが最近多い。
一方twitterなどで、ネガティブなことばかり発信している人はお仕事をお願いする上で少し不安になる
結構twitterは見ている人が多いのでお仕事をする上では気をつけた方がよい
デジタル・アナログ/東京・地方で不利なことはあるか
デジタル・アナログは特に気にしない。
最近はskypeなどで遠方の人ともやりとりができるのでそこまで気にはしない。
本を売る上で意識していること
読者に届くものを。
本は売れない(読まれる人に読まれない)とそのまま捨てられてしまう。
長い期間、執筆をしていた作家さんのためにも、売れるものを心がける
色のまとまりを気にかける
ノルウェーの森といわれると赤と緑と連想がいくように。
店頭で目立つものを
データはもらえるの?
雑誌に本を掲載したいときなど、用途を明確にしてもらえれば一番きれいなデータを渡せる。
単行本と文庫本の違い
単行本は文庫本より厚みがある分、その量感を支えられる絵かどうかが重要。
文庫本は陳列して並べたときに面で勝負できるかが重要。
イラストレーターの選考方法
最近はPIXIVやTumblrなどから選ぶ人が多い。
本を手に取る人が躊躇するものはNG。
何かを伝えたいというのが伝わる絵。
講評とライブデザイン
予定では講評とライブデザインということだったのですが、時間が押していたこともあり、今回は講評のみとなりました。
ライブデザインをメインにきていた部分もあるのですごく残念ではありましたが、提出された課題作品に対して丁寧に講評してくださいました。
デザイナーさんがイラストレーターさんのイラストに対し、どういうことを考えどういったチェックバックを返すかをきくことは初めてだったのでとても勉強になりました。
今回参加してみて感じたこと
同じデザインでもWebデザインとはアプローチの仕方が全然違っていたのがとても印象的でした。
装丁においては、読者の想像力をかきたてられ、思わず手にとって読んでみたくなるようなものが求められていますが、そういったものをWebにも取り入れていければいいなと思いました。
最近、いろんなデザイナーの方のお話をきいて考えるようになったことなのですが、Web上で世界観を演出できるようなるのを一つの課題にしてがんばっていきたいです。