8月19日高知のかるぽーとで行われた、WCK Meeting 「ホントに大事な見積りの話」に行ってきました。
以下、レポート+自分が考えたことなどを軽くまとめてみました。
参加したきっかけ
見積もりに関しては素人レベルで、毎回不安を抱えながら出してます。
個人でお仕事をする場合は、金額がすでに決まっていることの方が多いのですが、「他の人はどうしてるんだろ?」と常々思っていたので、参加することに。
ちなみに、会社員時代は、作業時間での見積もりを出すことはありましたが、金額ベースの見積もりはあまり出したことがなかったです。
会社員時代にあった見積もりモヤモヤ
● 技術or自信がないパターン
今までやったことがないことに関しては不安要素もあるため、ちょっと多めに。私のスキルが低いせいで、高単価になってる気がする…!という不安も。
● 見栄をはってしまうパターン
このくらいの日数で出来ないといけないのかなと思い、見栄をはる。
「ふ、2日でできますよ…! (※ 残業すれば)」 みたいな。
基本、私の独断ではなく、ある程度チーム内ですり合わせはするようにしていました。が、案件が終わってみると見積もりの設定が甘かったな…ということが何度かありました。
今までやったことがないお仕事の場合は、特に見積もりがむずかしいですよね…。
見積もりへの苦手意識
見積もりに対して苦手意識を持っている人は多くて、主にやりたくない理由としてあげられていたのがこちら。
- 突然やってくることが多い
- 仕様を理解しないといけないから大変
- 受注できるかわからないケースもある
見積もりをすぐ出して欲しいと言われることもあるのですが、毎回状況が同じわけではないので、簡単には出せないんですよね…。
その後のスケジュールや売り上げに大きく反映されるので、いい加減にも出せないですし。
特に調べもしなくて、多分大丈夫だろうと思っていたら、思っていた以上に時間がかかったなんてこともあります。
本見積もりか、概算見積もりかを確認
まずは見積もりを作るにあたって、きちんとしたものか、大体でいいのか確認しようとのこと。
概算見積もりのメリット・デメリット
概算見積もりの場合、見積もり時間を短縮できたり、仕様が未確定でも算出できるというメリットがあります。
ただし、概算見積もりで出したつもりが、そのままの見積もりになってる…なんてことも。
そうならないように、お客さんとのすり合わせ、意識共有が必要になってきます。
注意点
- 口頭で返事しない
- (概算見積もりでない限り) 即答しない
- 税込か税抜きかを確認
書き方について
未確定の部分などがあれば、なるべく記述しておきましょうとのことでした。
一式でかくと「どんぶり勘定」と思われて値引きされたり、逆に細かく書くとカットされる項目も出てくるなんてこともあるようです。
記載の仕方にはちょっと工夫がいるかもですね。
また、見積もりに変更があった場合は、早めに伝えることも大事とのことでした。
見積もりに含まれる時間
作業時間以外の時間も考慮して見積もりを出す必要があります。
作業時間以外で想定される時間の例
- 下調べなどの準備時間
- 打ち合わせの時間
- 見積もり、提案にかかった時間
- (自分以外の人が関わる場合) 管理にかかる時間
個人的には、ディレクションにかかる工数は、お客さんのタイプにもよるので、出すのがむずかしいなと思っています。
webに知識があり、連絡がとりやすい方であれば、スムーズにやりとりできるので大丈夫なのですが、そうでない場合「共有する時間」の方が思っていたよりもかかったりします。
「作業自体は大したことがなくても、いろいろと説明する方に時間がかかる」ということもあるので、どれだけ安くしてほしいと言われても、ギリギリ安くするのではなく、ある程度の余裕を持つことが大事かなと思います。
標準的な価格設定を知る
時間だけで見積もりをつくると標準価格と比べ差がでるというお話。
1日の単価を3万とした場合…
Aさん …標準的なスピードで作業に3日かかる
=> 3万 × 3日 = 9万
Bさん …技術があって1日でできる
=> 3万 × 1日 = 3万
Aさんは受注できないケースもありつつも、売り上げを見るとAさんの方が多いです。
一方Bさんは技術があって、早くこなしてるため優秀なのですが、場合によっては赤字になる可能性もあります。
作業の早さもその人の価値なので、厳密に時間ベースで算出せずに、お金をとってもいいかなと思っています。
価格設定については、自分の場合、金額の本があるのでそういうのも少し参考にしてました。
また、勉強会に行くと、ときどきお金の話も出るので、そこで聞くことも多いですね。
お金の話ってちょっとしづらい空気がありますが、業界における標準的な価格を知っておく必要はあるので、身近な人にそれとなく聞いてみるのも大事だなと思いました。
自分の1日の単価を決めよう
web業界ではお仕事の内容ではなく、作業時間で1人日いくらか設定して金額を決めることが多いですが、そもそも人によって1日を何時間とするかで違ったり…
一般的な就業時間が8時間なので、会場では「8時間」という声が多かったです。
自分の場合、「8時間」と思いつつも、ついつい長めに作業してしまう癖がでてるので、このあたりの意識は変えていかないと…と思いました。
仕事の難易度について
簡単にできるから安いわけではないというお話。
「誰でもできるから簡単」なのか、「その人に技術や経験があるから簡単」なのかで違ってきます。
後者の場合、付加価値を見積もりに反映していきます。
その仕事に必要な技術で、今まで自分がどれだけ投資してきたかであったり、維持費があれば、そういうのも考慮する必要があります。
自分の場合、あまり自信を持ってスキルをとして売り出せないのですが(そもそも業界内で自分がどのあたりのレベルにいるのか分かりづらい…)、最近はなるべく技術書を読んだ時間を計ってみたりしてます。
人によって身につく時間もマチマチですが、自分が投資にかけた時間やお金を少しは意識しておこうと思いました。
値引きについて
値引きについては「相手が値引きする理由を考えることが大事」とのこと。
- ただ、値引きが口癖になっている人なのか
- 自分と相手との予算感がずれているのか
- 予算はあるけど、安く仕上げたいのか
- 友人・知人だから安くしてもらいたいのか
- 受ける側の都合(自分のスキルアップや次の仕事につながるなど)
なるべく理由のない値引きはせずに、相手の予算感や、何を重視しているか一度ヒアリングした上で、優先度の低いものを削除して再見積もりするようにしましょうとのことでした。
お客さんが相場を知らない場合、なんとなく高いと感じてしまうこともあるので、初めに意識共有しとくとよさそうですね。
また、よくあるのが、知人(友達)だから安くしてよというもの。
「安くしたからといって、内容・納期・品質を下げていいわけではない」 という言葉が印象的でした。
ざっくりとしたまとめ
- 概算見積もりか本見積もりか把握しよう
- 作業時間以外にかかる時間も考慮しよう
- 極端に安くしすぎない(標準的な価格の相場を知っておく)
- 自分の1日の単価を決めておく
- 理由のない値引きはしない
感想
セミナーの最後の方でおっしゃられていた 「見積もりに絶対はないので、自信を持って書くのが大事」 という言葉が印象的でした。
人に言われたから上げ下げするものではなく、自分の価値は自分でちゃんと決めること + お客さんとのコミュニケーション・信頼関係が大事だなと感じました。